かなり、怖いお話。。。 


このお話は、フィクションです。

どこかの国の、本当にあったかもしれないお話。
登場する国名、人名は、すべて仮名。信憑性もございません。
しかし、どうしても、書いておきたい、私がそう思うお話でございます。
私のざれ言と、お許しいただければ幸いです。



それは、かの国からの使者から。。。

ヤマト国では、昔から良質の牛肉を産する、と、国際的に有名。
このヤマト国と、表面上は同盟関係にあるプロテキア国でありますが、
バブル経済・貿易摩擦の時代に、ヤマト国の牛をプロテキア国でも生産できないものかと、
日夜画策を繰り返しておりました。
ところが、ヤマト国の通商部は、自国経済の要、と、生体で国外に出すことを禁止して、
厳しく守りを固めておりました。
さて、そんなある日、プロテキア国から一人の生物学の博士がヤマト国に来ます。
彼はヤマト国の牛肉の名産地、松宮市を訪れ、帰り際に、
 「この松宮牛は生物学的に貴重だ、ぜひ、研究用にオス牛を5頭、分けてほしい」
そう、松宮市に伝えます。
市の畜産課は、
 「う〜む。ブランド牛の松宮牛はメス牛が貴重なわけだし、
  オス牛なら、商品価値もないから、イイかな〜」
と、それを許可しました。

さぁ〜て、それから数年後の、ある日。
ヤマト国のスーパーで、とんでもない出来事が発覚します。
「松宮牛」とシールが貼ってある牛が、実はプロテキア国製だったことが判明。
味が悪いと、顧客からつき返されてきたもの。
追跡調査で、当時は想像もできなかった事実が判明しました。
かの生物学者の大先生は、ヤマト国から受け取ったオス牛から精子を取れるだけ取り、
それをプロテキア国のメス牛、5万頭に生殖。
生まれた牛を<YAMATOGYU>として、ヤマト国に輸出していたのでした。
当局者が事態に驚いたその時、
その生物学者の大先生が、またヤマト国に来ました。
  「あの研究用の牛たちは、もう研究に耐えられないくらい年老いてしまった。
   また、若いオス牛を5頭、分けてほしい」
そういう大先生をヤマト国の空港で待っていたのは、ヤマト国のGメン。
うやうやしく大先生を別の場所に案内したあと、牛はおろか、牛の糞さえも触らせず、
お帰りいただいた、とのことです。
ヤマト国の国営放送で、1回だけ、この顛末が報道されました。


そして、狂牛病騒ぎのとき。。。

プロテキア国のバブル経済が伸び悩んだのは、
実はその驚くべき経済戦略に、世界中が危機感をもったためでありました。
いち早く、遺伝子組み替え技術による農作物の開発と特許取得に成功し、
それをピンポイントで複数の畑に撒き、数年後調査Gメンを派遣して、
隣近所の畑に、同じ作物が1本でも生えていたら、畑ひとつ分の作物に、特許料を請求する。
どんな事なのか、もう少しご説明しますと。
プロテキア産の、稲だってあります。
これを、たとえばヤマト国のある農家に試験栽培を依頼する。
農家は、協力だから、と、栽培する人もいるでしょう。
さて、植物は、自然交配しますから、
となりの畑にも花粉が飛んでいきます。
そうして、飛んできた花粉と、自然交配を繰り返し、数年。
ある日、となりの畑の持ち主のもとへ、プロテキア国の企業から手紙が届きます。
  「あなたの畑に、私たちが開発した植物が見つかりました。
   今すぐ作物を全て私たちの製品に植えなおし、特許料を支払わなければ、
   膨大な損害賠償を請求します」
こうして、世界の畑の作物、全てが、プロテキア国製の作物になる。。。。。
この策略に気がついた時、
ヤマト国はすぐさま、国としての方針を180度転換し、
  「遺伝子組み替え作物の安全性が確認しきれないため、ヤマト国内では栽培できない」
そう、発表したのでした。
同様な出来事が世界中で起きたため、プロテキア国の種苗業界の株は暴落。
安全性、は、こうして、急に降って沸いたように、叫ばれたのです。
それでは、ヒトの遺伝子情報、ヒトゲノムで、特許をとろう、
その情報を使って他の国が新薬を開発したら、その都度、特許料を請求できるぞ!
そう、躍起になったプロテキア国に、
ヨーロッパの、とある国が
  「ヒトゲノムは、ヒトの生命の尊厳にかかわる情報である。
   私たちの国内では、特許料の請求には応じない」
と発表。他の国も、みなそれに並びました。
ときすでに、ゲノム研究が9割進んだころのこと。
恐ろしい話が、間一髪のところでかわされました。

さて、そんなヤマト国に、ヨーロッパの狂牛病の牛が混じっている、
その報道が、どこからともなくやってきました。
まさに、青天の霹靂。
それに、ヤマト国が調べたところでは、まったく理解できない原因が、いくつも。
  まず、狂牛病になったのが、厩舎内の1頭だけなこと、これはおかしい。
  同じエサを食べてるのに1頭だけが狂牛病になることは考えにくい。
  また、北海道と関東で、見つかった狂牛病の病原パターンが同じこと。これもありえない。
  まったく同じ時期に、まったく同じ形で製造されたエサが、何百キロと離れて、同時に食べられた。。。
  そんな事、あるわけはないんだけど。
  いや、だって、そうしないと、同時に発覚することができないもの。
  それに、肉質が硬くてヤマト人の食用には向かず、
  ましてや高級料理にその肉を使うわけがない、乳牛が発病したのに、
  報道では「すき焼き・しゃぶしゃぶ、焼肉が危ない」とされた事も、おかしすぎる。
そして。
間髪をいれずに、プロテキア牛を使っていた牛丼チェーンが
「当店の牛丼はプロテキア牛を使っているから安全です」と看板を出したのも、
看板の出方としては、余りにも用意が良すぎる。。。



信じられない。。。

さて、そんなプロテキア国に、ついに狂牛病が発覚しました。
ヤマト国のとった行動は、迅速。
  「プロテキア国産の牛、全個体で検査がされない限り、ヤマト国には輸入させない」
事実上の、プロテキア国牛肉の、締め出しであります。
でも、ヤマト国内はどうなるんだろう?
今回は、プロテキア国産の、まさに、肉牛。
しかも、すでに食べられてしまったと言うから、驚き。
オ!これは大変だ、前回のヤマト国産の狂牛病事件の時のような騒ぎではすまないぞ。
まずは、すぐさま、プロテキア牛肉の回収騒ぎか?
・・と、おもいきや。
TVでは信じられない光景が。。。
牛丼店で最後に残った牛丼を美味しそうに食べる客、
「もうしばらく食べられませんね〜」と、残念そうなリポーター。
今食べている牛肉が、まさに狂牛病肉なのかもしれないのに。
大手ファストフード店のmがすぐ出したコメントは、
  「当店は安全なオーストラリア肉を使っております。。」
ここから先は、私はノーコメント。
皆様、怖がっていただけましたでしょうか。。。

世界の中で、1国だけ、一握りだけで利益を独占しようとする動き、
昔の映画「メトロポリス」で描かれた社会を現実化しようとする企みは、
多分今後も、何らかの形で、動いていくのだと思います。
でも決して、食が再び、その道具にされないよう、
それだけは、必ず、守らなければならない。
現在の、世界でのその最前線の運動は、あろうことか、スローフード。
しかし、それ以外でも、
食の安全のために動いていく運動であれば、私も喜んで参加していくつもりでございます。



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