スローフードな、ページ 

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お酒の、扱い方あれこれ。

 〜平成15年6月12日〜
 日本酒は、世界に類を見ない、温めて飲むお酒。
 ワインの事は私には良くワカランのですが(笑)、
 このお酒に関しても、
 まだまだ勉強してみたい、おもしろいことがイッパイあります。
 いくつかに分けてお話しますが、
 今回は、燗酒を飲む前の、その保管の仕方。

 蔵元から出たばかりのお酒は、きりっと角が立って、
 まだ周りのものを寄せ付けない、凛とした雰囲気がございます。
 これをそのまま燗で飲む、それが、本来の蔵元の考えで、あるはずなんですが。
 まず、冬であるならば、これを1ヶ月ほど、寝かしこみます。
 すると、剣がゆるく、穏やかになる。
 はたまた、昔は、静かに揺らさず、保管して、そっと注いでいましたが、
 栓を切らずに1時間、瓶ごとよく振ってしまうと、
 まるで吟醸酒のような味わいに変わります。
 どちらも自分で試してみたことですが、
 振ったときのお酒は、元のお酒とはまったくちがう、さらっとした飲み心地でした。
 最近は、お酒のアク味を嫌って、磨きぬいた吟醸酒が好まれます。
 その線で考えると、特によく振ったときなどは、今好みの、味と申せましょうか。
 じゃ、私はどうか?と、申しますと、
 燗をして飲む酒は、吟醸酒とは違えて、
 そのアク味も、持ち味として楽しんでもいいのではないか、
 そんな風に感じます。
 その辺、今風ではないですね(笑)
 でも、出荷後すぐの味よりも、少しだけ、カドが取れたほうが飲みやすい。
 燗用のお酒を、少し長めに保管してやって、それを湯せんでちびちび温めたのが、
 グ。っと広がるアク味も、ほど良く楽しめるような、そんな気が致します。
 皆様は、いかがでしょうか。


ふぐ包丁の、お話。

 〜平成15年6月5日〜
 ふぐさしは、"切る"ではなく、"引く"と、申します。
 これは、私がいつも使っている、フグさし引き用の包丁。
 刃渡り30センチ、包丁の街・堺で作られた、本焼きです。
 本焼き包丁が、日本刀と同じ造り方で作られているのは、
 ご存知の方も、多いでしょう。
 市場の、包丁専門店で、
 熟練したフグ職人にだけ、販売されているものでございます。
 一般の方には、見せることさえ、店が嫌がるでしょうね。
 一度手になさってみれば、確かに、よく解ると思いますが、
 私も、おっかなくって、他の方には、触らせられない(笑)
 そこで、なぜ、そこまでの品物なのか? を、ご説明いたしましょう。

 重さは、握りの部分を入れても、わずか120グラム。
 ぐ、っと力を入れれば、写真のように、ここまでしなる柔軟さがあって、
 力を抜くと、寸分たがわず、元の形に戻ります。
 そして、もし、これで指先を切ってしまった時には、
 指が切れて行くのが判りながらも、その時は痛みがまったく、ありません。
 この切れ味は、まさに恐怖、で、ありまして、
 後で襲われる、普通の包丁キズの数倍の痛みよりも、
 心をグッサリと切られたような、そのショックのほうが、はるかに大きいものであります。
 コイツで、よこしまに人を傷つけよう、なんて考えたら、
 その前に、もち手が滑って、自分の指が全部、切り落とされちゃいそうだな。。。

 だいたい、イメージできましたでしょうか?(笑)
 その長さ、薄さ、弾力、軽さ、切れ味、そのどれもが驚異的な、
 まさに、「気」のこもった、道具でありまして、
 初めて手にすると、文字通り、腕がすくみます。

 私が日本という国に、スゴイな、と感じるのは、
 主に精神的な、内向的な奥行きの広さでありまして、
 それは、こうした、扱いを知らない者を寄せ付けない、突き詰めた目的に使われる道具にも、
 よくよく現れているものと、思います。
 本日は久しぶりに暑い日でしたので、こんな、涼しい話題を取り上げました。
 余談ながら、
 この包丁を使い始めた最初のころはね、恐くって恐くって、
 ふぐさしを1人前引くたびに、「どうだ、参ったか!」って、包丁に、気合返しをしたものですヨ(笑)


おいしい、大根のおろしかた

 〜平成15年5月28日〜
 さて、今日はアニメです。
 このアニメは、いつもお世話になっております、
 ヴィラージュクッキングさんのサイトより、お借りしました。
 HPは、リンクのページに。
 この方も、さすがはコックさんでありまして、
 特に右の、大根をぶつ切りにするラインが、見事なんですわ(笑)
 順を追って、ご説明いたしますね。
 いっちばん先に落とす、下の部分は、辛さと苦味がとても、強い部分。
 大根おろしにすると、もう苦くって・・・タマリマセン。
 次に落とす、まっしろけ〜な、部分は、辛味が中心。
 鍋で煮ると、辛味が甘味に変わりますから、お味噌汁には最適。
 大根おろしにすれば、苦くはないけど、カラ〜〜
 次の、先が青みがかった白いところは、大根おろしに最適。
 適度な繊維のカタさと、甘味がまだ、辛味に変わりきっていないので、ここを使いましょう。
 我々がカツラムキにするのも、この部分です。
 そして、最後に葉っぱと一緒になくなっちゃう、部分。
 ここは、甘味は強いけど、すぐ酸化しやすいので、漬物に。
 おろして、ちょっとおいておくと、もう酸味が出ることがあります。

 さて。
 注目の、おろし方ですが。
 まず、大根は、しっかり、持ってくださいね。
 だからといって、押さえつけないように。
 あくまで、軽くおろし金に当てるような"気分"で、もう充分に押さえつけられていると思います。
 ここから先は、イメージなんですが、
 例えば、おろし金に、鋭い刃がついている、ここで、横に引っかく、感じ。
 いっぺん引っかいたら、大根に引っかいた跡がついてるから、ちょっと大根をずらしてまた引っかく。
 押し付けちゃうと、大根がつぶれて、辛味が出ますから、
 しっかり持って、かる〜く当てて、横に、の、イメージ。
 でも、あくまで、例外も、アリ、でス(笑)

 スローフードとは、食材がしっかりしたものでありさえすれば、
 調理の仕方については、案外自由なはず。
 別に「これが本物ぢゃ!」と、肩ひじ張るものではないでしょうから、
 「こうしたら、もっと旨いかなぁ〜」って言う、試したり、相談したりの、その過程を楽しんでくださいね。
 私も、そうした、ドキドキ、ビックリ、が、楽しくて仕方がない。
 楽しんでこさえたお料理は、食べる前からおいしいですヨね。


うなぎの料理中は、、、

 〜平成15年5月20日〜
 私の店でお出ししている、うなぎ。
 現在は、できあがりまで、約20分かかっております。
 この時間は、コンビニとかに慣れた我々には、途方もなく長く感じますね。
 私も、昼はコンビニのオムスビで、済ませちゃいましたから。
 うなぎは、生から焼くと、まず焼いて、蒸して、タレつけて焼いて、それで20分。
 蒸し器を圧力釜にする、とか、蒸しまでしちゃっておく、とか、
 時間を短くする方法は、あるんですが。
 そんで、代りに、ご飯も炊きたてにする、とか、蒸し方をじんわりこなす、とかすると、
 出来上がりに1時間、とか、かけることもできます。
 なんだか、それも、とっても、おいしそうに思えるから不思議ですよね。

 料理のおもしろいところはね、まるでエンゲージリングの品定めみたいでして、
 ひとつこだわりを言うと、倍々ゲームで、料金とか、時間とかが、かかってしまう。
 当然、上もあり、また、下も、あるわけですが、
 そんな中で、精一杯の、私たちの手を抜かずに短縮した時間で、20分です。
 その時間は、大変恐れ入りますが、いろいろ他に楽しみを作って、どうぞお待ちください。
 さて、出来上がった、うな重。
 うなぎが冷めないうちに、ここからは息もつかずにかき込んで、それが楽しい。

 できあがりまで、20分。食べ終わりまで、5分。
 ちょっと考えると、もったいないような気もしますが、それが、うなぎ。
 とっても、おいしいですねェ〜(^^)


そこでしか、食べられないもの。

 〜平成15年月19日〜
 今回は、画像がありません。イッパイありますので(笑)
 当店があります、東京の、新宿という場所は、
 おいしいものなら何でも集まる、ところではあります。
 生産地でも、東京へは、選りすぐりの物を、送ってくださいますし、
 天然とらふぐを1年中お出しするという綱渡りも、
 この場所だからこそ、
 秋から春までは下関、夏は秋田や青森から、とらふぐを集める事ができるからに他なりません。
 しかし、フグやタイなどのように、活けのままでも、大切に運ばれる食材とは違って、
 もしくは、足が早い、空気が違う、などの理由で、
 どうしても、その地でないとおいしいものが食べられないものは、やはりあるんですね。
 こうした、おいしい食材も、きちんとお伝えいたしましょうか。
 いくつか、ご紹介いたします。
 皆さんも、旨いものを見つけに、時には足を伸ばされてみてはいかがでしょう?

 石巻で水揚げされる、イワシ。
 輸送の時に潰されて傷んでしまいやすいこの魚の、地元で食べる、焼魚の旨さ。
 同じく、ホヤ。
 新鮮なものは、レモン色をしています。東京では、塩辛が精一杯。旨い。。

 夏の高原では、採れたてのレタス、試してみてはいかがでしょう?
 東京へ送るためには、まず予冷という作業をするんですが、
 それをしていないレタスだから、とっても青くさみが強くて、柔らかい。

 信州や、上越の、野沢菜。
 漬物になっても青みが感じられる、キレイなのはその地にいる間だけ。
 やはりその地に赴いて。喫茶店でも、出してくれます。

 東京の、軟化ウド。
 芯まで白くて、アクや青くさみが少ないから、サラダや、酢の物に。
 放っておくとすぐ固く、青みがかっちゃうから、大急ぎで、柔らかいうちに。

 伊豆の、干物。
 冷凍品に頼らない、きちんと天日干しになった干物は、もうそれだけで、ごちそう。
 道路の渋滞で、中々おいしいうちには運べないものですから、これもやはり、その地へ行かないと。

 鹿児島の、きびなご。
 採れたてのピチピチした物を、手際よく開いて、菊の花に似せて飾ったものを、
 酢みそで、一度に二、三枚ずつ。うれしいですね。

 これは、あまり知られていませんが、締めくくりは、お豆腐。
 どんなにおいしいと評判でも、豆腐に旅をさせちゃうと、味ががっくん、って、落ちちゃいます。
 その地へ赴くのも、イイんですが、こればかりはネ、
 皆さんの地元で、おいしいお豆腐があったら、多分、それがあなたに一番の、お豆腐です。
 巷のいろんな名物豆腐の説明に迷うことは、あまり必要ないですヨ。
 その場で、作って、スグ、が、豆腐のイノチですもん。


ソラマメの皮、むく?むかない?

 〜平成15年・5月17日〜
 今が旬の、そらまめです。
 もっとも、ハウス栽培が確立されて、
 今は12月の奄美大島から、7月の青森産まで、
 そらまめは楽しむ事ができますね。
 さて、ソラマメといえば、論争になるのが、皮をむいて食べるか、どうか。
 お酒の席では、こんな話題も、つい熱が入って、楽しい。
 なんだか、ブドウの皮に、似てますね。
 では、ブドウのお話は、ブドウが出回りだす、初秋に。
 さて、写真のそらまめ、左の豆は、芽の部分が黒くなっていますね。
 豆が成熟した証拠で、似ているものの名前から、オハグロ、と呼ばれています。
 右の、まだオハグロのついていないものは、柔らかくて、むしろ青くささを楽しむもの。
 こちらでしたら、皮も柔らかいですから、皮ごと、が楽しいですね。
 対する右のオハグロがしっかりしたものは、見も白っぽくなって、堅くなり、
 しっかり火を通すと、ジャガイモみたいにホクホク。
 こちらは、皮をとったほうが、そのホクホクがより楽しめるかもしれません。
 あくまで、好みのお話で。

 私なんぞは、オハグロのないものを、わざわざクタクタに煮て、
 おまけに皮をむいたものを、ムチムチっと食べるのが、大好きですね(笑)


わさびの、辛いおろし方。

 〜平成15年・5月15日〜
 じ。っと見つめると、ツンときますね(笑)
 サメ皮に乗った、これは伊豆産の本ワサビです。
 さて、同じワサビでも、おろし方やおろすところで辛さに違いがあるの、
 ご存知でしょうか?
 ワサビは、むしろ辛くないおろし方のほうが、昔は上等とされていまして、
 根っこがある白いほうより、葉のついている緑のほうが、辛くありません。
 おろし方でも、ずい分と違ってきます。
 カンナで削るように、横にズッ、ズッと滑らす感じにすると、
 この辛くない、香りの立ったワサビおろしができます。でも、噛むと、辛いですヨ(笑)
 これに対して、今おろしたものをもう一度潰すように巻き込んで、
 上から押さえつけるように力を入れておろすと、う〜〜ん、とっても、辛い。。
 ほかに、砂糖をかけたりしても、辛味が増しますヨ。

 ワサビには、辛味と、香りの、二つの味があります。
 昔は香りを楽しんだそうですが、
 現代は、むしろ、この辛味のほうを楽しむ方が増えましたね。
 それも、ワサビが今の時代にも受け入れられてゆく、頼もしい事なんだろうなぁ。
 ワサビは、ほかに似た辛味のない、特徴的な食物。
 この辛さを、これからも大事にしていきたいですね。つぅ〜〜ん。
 ・・スイマセン、お茶、ください(笑)


アイスクリームに向く、カボチャって。。?

 〜平成15年・5月12日〜
 これはカボチャでこさえた、お刺身のツマ。
 ツマに向いているカボチャはね、
 秋の走りに、高原の寒いところで取れる、エビスカボチャ。
 それとも、6月ころから市場に出回る、
 鹿児島で採れた、小ぶりの甘い品種、「坊ちゃん」。
 それに対して、
 春先や、近郊で取れるカボチャは、煮物にするとホクホクしていますが、
 残念ながら粘り気が足りず、こんな切り方をすると、ぼそぼそって、すぐ崩れてしまいます。

 じゃどうして、これが今の季節にあるか、と申しますと。
 種明かしは、これはニュージーランド産の、エビスカボチャ。
 向こうは、日本と季節がちょうど逆で、寒暖の差も大きい。
 日本から種を持ち込んで、栽培しています。
 他の外国産カボチャと、あまり変わらない値段で売っていますが、
 お国柄、環境に対する考え方も厳しいので、安心して、今の季節に使えますね。
 ちょうど、お蕎麦でも、同じような事があるはず。
 ねっとりとして、とってもおいしいですヨ。
 そして、これを大きいまま、蒸して、マッシャーでつぶして作る、自家製アイスクリーム。
 エッセンスも何もいらない、ふっくらと優しいおいしさが楽しめます。
 わざと皮の部分をみじん切りにして少し入れると、なおおいしさが引き立ちます。
 どうぞ、お試しあれ。


ふぐの皮の、お話

 〜平成15年・5月9日〜
 スローフード、だから更新はスローペース、かも、しれませんが(笑)
 うまくまとめる事ができましたら、
 店のHPからもリンクできるようにしたいと思ってます。
 さて、ウチはふぐやですから、最初はふぐのお話。
 左に並びましたのは、フグの皮の部分です。
 皮の呼び方は、地方によってそれこそイロイロ。
 ここでは、私の店での呼び方を、ご紹介いたします。
 一番上の皮は、透き通った、フグの外皮。鍋皮、とも、申します。
 お鍋に入れると身をくねらせて、トロっとしたゼラチン質になります。煮凝りも、ここで作ります。
 下の、左側は身皮。鶏肉で申しますなら、ささ身の回りの薄皮が、これ。
 さっと湯引きにして、黄身酢味噌で和えてもおいしいですね。
 その右。これ、とおとうみ、と、呼んでおります。
 身皮のまわりを覆っていまして、コリコリと魚の匂いが特に強い、ツウ好みの皮です。
 さて、このとおとうみ、変わった名前ですね。
 江戸時代の地図を広げると、みかわ(三河)之国のとなりには? そう、遠海(とうとうみ)之国が。
 こんなところから、この名前がついたそうです。
 大阪の方には、「カワ湯引き」と申し上げたほうがなじむんじゃないでしょうか。
 焼くと、香ばしい香りがして、 もう。
 さて、撮影終了。では、頂きます(笑)


スローフード、って、何?

 〜平成15年・5月9日〜
 ファストフードで失われた、文化としての食を取り戻す運動、スローフード。
 別に、ゆっくり食べなきゃ、とかいう事ではナイんですね(笑)
 私はこの運動があるのを知ってから、
 ほとんど頭を離れることがないほどホレこんでしまいました。
 食の意味を知ることは、食事を、そして、オオゲサには、人生を、楽しくしますね。

 ところで、私は調理人ですので、
 私から、スローフードを実践なさろうとする方へお願いをさせていただいても、宜しいでしょうか。
 簡単な、事ですが。
 お食事のお話をされる前に、まずは、おひとくち。
 これをぜひ、お守りいただきたいのです。
 たいへん、生意気な申し様ですが、お料理は、お口に広がってこその、お料理と存じます。
 その為の、楽しくなるようなお話でしたら、これから綴る事ができそうですので。
 どうぞ、ゆったりとしたお料理を、お楽しみください。



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