の教室
平成19年・夏のお題

輪島塗り!

 〜平成19年・6月6日〜
 夏ですね〜
 うなぎがおいしい季節になってきました。
 忘れていたわけではないんですが、
 本日は、その、うな重の重箱や、お椀のお話。
 ウチでは、うなぎを扱い始めた40年ほど前から、
 うな重の重箱は、左の、輪島塗り。
 40年前、
 重箱といえば、これしかなかった。
 高かっただろう、と思うんですが。
 余談ながら、
 その、高い重箱に入れるから、
 うな丼よりも、うな重は高級になる。
 で。
 盛りそばに、海苔が乗って、ざるそば、
 そういったのと、同じ種類のノリで、うな重は出来上がったんだとは、思います。ハイ。

 で、当時のオヤジたちが、無理して仕入れた輪島塗りの重箱、
 それでも、
 汁椀までも、輪島塗りにできるまでには、まだそれから、30年ほどかかりました。
 お椀は欠けやすいですからね、重箱以上に高く付きます。
 ああ〜、欲しいナァ〜〜、って、
 私も小さい時に、よくこぼしているのを耳にしましたっけ。
 そして、晴れて両方が揃った時、
 世の中に、良い輪島塗の器、というものが、ほとんどなくなっていた。
 これはイカンな、ということで、
 前置きが長くなりすぎましたが、今日はその、輪島塗のお話。

 今、世間様で流通されるお椀のほとんどは、
 ベークライト、などと昔は呼んだ、プラスチック製。
 チョッとそれが良くなって、木質。
 これはね、
 おがくずや、木のチップを、接着剤で練り固めたもの。
 その上が、木製。
 椀部分と高台を別に作って張り合わせます。
 一番上は、1本造り。
 文字通り、木、1本をくりぬいて、お椀をこさえたもの。
 その、1本造りに、木の種類があって、お椀の出来の上下はこうして決まります。
 重箱は、
 もともと、1本の木からこさえる、なんて事はしませんで、
 薄い板を張り合わせて、箱の形にして、その上にうるしを塗り重ねます。
 もちろん、出来の上下は、お椀と同じ。

 できることなら、良いものを。
 誰もが、手にしてみたいですよね。
 では、良いものを手にすると、何が変わるのか?
 現代の方は、このあたりのお話が、一番興味があるんじゃァ、ないでしょうか(^^)

 良いものは、まず、重さが違います。
 お椀のふたを持って、思わず、上に持ち上げすぎてしまう。
 決して、誇張ではなく、
 それくらい、ハヤリの器たちよりも、ずっと、ずっと、軽く出来ています。
 うな重だとね、
 大盛りを注文された方が、『あの、大盛り、って、言いませんでした?(^^;』って、
 念をおされるほど(笑)
 そして、その軽さは、口当たりの柔らかさに、結びつきます。
 すっ。と、
 お吸い物を一口、召し上がった際に、すぐわかる。
 何と申しましょうか、
 いきなり、熱いものが、ズズッとお口に飛び込んでくるのではなく、
 やんわりと、優しく、おだしの香りがやって来ます。
 これはもう、
 召し上がっていただくしかないです(笑)
 オトナの幸せは、ゆっくり、じわじわ、広がっていくものですよネ(^^)
 そして、
 その幸せは、取り扱いをきちんとすれば、一生モノ。
 ウチでも、
 30年使った重箱を塗りなおしてもらったら、新品と同じになって、戻ってきました。

 この、輪島塗が、ご家庭にある、幸運な方へ。
 私もできることなら、自分の家でも使いたいですが、モッタイなくて、マダマダ、です(笑)
 その、輪島塗の、お手入れの仕方です。
 直射日光は、厳禁。
 時たま、乾拭きしてあげてください。
 手でしっかりと持って、きゅ。きゅ。と、強く、
 お椀がゆがむような力をかけないように、ふきんで挟むようにして。
 買ったばかりの輪島塗りは、むしろ、つや消し色。
 うるしのニオイもキツイですね。
 それが、乾拭きするうちに、買った時以上に、ツヤツヤになって。
 人の手に触れることで、より、光り輝くもの。
 輪島塗の本当の楽しさは、そういったところにあるのかも、しれません(^^)




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